重慶大厦を探索して、両替とか安宿じゃない側面を見ることができた

重慶大厦を探索して、両替とか安宿じゃない側面を見ることができた

重慶大厦

尖沙咀にある重慶大厦(チョンキンマンション)は、香港の中でも独特な雰囲気を持つ場所です。


入り口付近には偽物時計などの売人や格安宿に勧誘する人達がいて、男性が主に声をかけられます。

彼らは客を選んでいて、自分たちのターゲットでない中年女性には声をかけません。

私は会社勤めの4年のうち週3回は重慶大厦の前を通っていたのに、数える程しか勧誘にあったことがありません。

重慶大厦といえば90年代の映画「恋する惑星」や、沢木耕太郎の「深夜特急」のイメージがとても強いです。

2つの作品から連想する重慶大厦は、麻薬の密売が横行していて、バックパッカーが泊まる安宿があるといった怪しげなもの。

どちらも1980年代後半から1990年代前半くらいの返還前の香港が舞台なので、今よりエキゾチックな印象があります。

でも少し若い世代、だいたい35歳以下くらいの人は深夜特急世代でないので、単なる両替が安いところという印象しかないようです。

エスニックマイノリティー

香港に住み始めて知ったのは、重慶大厦は単なる安宿や両替商があるだけでない別の側面です。

建物の中にはインド料理をはじめとしたレストランが並んでいて、ファストフードから本格的な料理まで楽しむことができます。

また重慶大厦にはエスニックマイノリティーと呼ばれる中華圏以外の出身の人たちの大きなコミュニティーがあります。

重慶大厦を探索

重慶大厦をひとりでうろつくのはさすがに勇気がいります。

今回は”重慶大厦のスペシャリスト”と勝手に呼んでいる石井大智君に案内してもらいました。

ちなみに石井君は20代なので、重慶大厦については詳しくても、恋する惑星も金城武も知らないそうです。

Ground Floor

最初にGround Floor(日本の1階)をぐるっとまわりました。

正面入り口では新型コロナウイルスによる感染対策のために発熱のチェックがされました。(他の入り口からは入れないようになっていました。)

両サイドに両替商がありますが、閉まっているお店もありました。

右と左にはインドなどの雑貨店や軽食のレストランが並んでいます。

このような、アフリカ系のお店が並んでいるエリアもありました。

中国のALIPAYが普及している

石井君がちょっと意外と言っていたのが、ALIPAYを取り扱うお店が多かったこと。

ALIPAYは中国のアリババの系列の電子マネーなのですが、他のWeChatPayで無かったのがちょっと以外でした。

そもそも中国人観光客がいない今は、中国の電子マネーも意味が無いのかもしれませんが。

1st Floor

次に階段を上って、1st Floor(日本の2階)に上がりました。

こちらのフロアには、スマートフォンやマスクを売っているお店などがありました。

閑散とした印象を受けました。

ケバブを食べた

途中で1階にあるケバブのお店で食事をしました。

思いのほか綺麗なお店でした。

下の階に比べて人の通りも少ないので、落ち着いて食事を取ることができました。

個人的にはこの野菜たっぷりのケバブロールが気に入りました。

上の階に上ってみた

食事の後は一旦Ground Floorに下りて、エレベーターで上の階に上りました。

重慶大厦は中で建物が分かれています。

2つあるエレベーターの左側が偶数階で、右側が奇数階にしか止まりません。

エレベーターの人数の問題もあり、朝の混雑時などは一旦一番上の階まで上ってから下に下りることが必要になることもあるそうです。

今回は左側のエレベーターで4階に上りました。

マップによると、フロアは8つのスペースに分かれていて、水色がゲストハウス・黄色がクラブハウス(実際はレストラン)で、緑色が居住スペースになっていました。

・クラブハウスとして登録されているレストラン

・右側がゲストハウスで、左側が個人宅と思われる

非常階段を下りた

ここからは非常階段を使って下りました。

以前日本のテレビ番組で、重慶大厦の非常階段でドラッグの取引があったといった場面を目にしたことがあったので、ちょっと緊張しました。

階段で意味の理解できない文字が書かれているのも、重慶大厦ならではです。

既にお店が閉まっていた

20時過ぎに階段の下まで下りました。

既にほとんどの両替店がクローズしていて、フロアは薄暗くなっていました。

エスニックマイノリティーのパワーを感じた

こうして無事に私の重慶大厦ツアーが終わりました。

案内をしてくれた石井君には本当に感謝です。

普段奥まで足を踏み入れることの無い重慶大厦の奥深い部分を感じることができました。

香港の中にあって、香港じゃない。

でも中国でも無い。

どんどん中国化していく香港の中で生活するエスニックマイノリティーたちの強いパワーを感じました。

The following two tabs change content below.

まるこ

2011年~2020年8月まで香港在住。 現在は千葉県在住。 好きなことは散歩とカフェ巡り、そして様々な勉強会に参加すること。 上級心理カウンセラー。

広告