廣府式にお盆まつりの「破地獄」と「過橋」の儀式がすごかった〜西灣河盂蘭勝會@愛秩序灣遊樂場足球場 / 香港のお盆まつり「ハングリー・ゴーストフェスティバル(盂蘭勝會)」を見学 in 2019(7)

廣府式にお盆まつりの「破地獄」と「過橋」の儀式がすごかった〜西灣河盂蘭勝會@愛秩序灣遊樂場足球場 / 香港のお盆まつり「ハングリー・ゴーストフェスティバル(盂蘭勝會)」を見学 in 2019(7)

香港のお盆まつり

8月の夏休み期間に、香港のお盆まつり(盂蘭勝會)を色々まわってきました。


2019年に行ったなかでどのまつりが一番良かったか聞かれると悩みます。

でもこれはすごい!と思ったのが、西灣河(筲箕湾駅前)で開催されたお盆まつりです。

西灣河に行ったのは、3日間のお祭りの2日目の8月16日(金)です。

この時に「破地獄」と「過橋」という、独特の儀式を見学することができました。

廣府式の大士王

西灣河のお盆まつりは廣府式と呼ばれるものです。

香港で一般的なのは潮州式で、その次に良くみられるのが鶴佬式です。

廣府式はあまり見る機会が無く、私が今年まわった中ではここだけだったので、とても貴重でした。

大士王

廣府式のお盆まつりの特徴は、コミカルな化粧をした大士王です。

潮州式や鶴佬式の大士王は、観音像が頭の上にのっていますが、廣府式の場合は、ぼっこりしたお腹の上に観音様がのっています

大士王の足下もとても賑やかです。

ご位牌

敷地の奥には、紙で作られた派手な装飾のご位牌が並んでいました。

こちらはお供えです。

駄菓子などが並んでいて、親しみがわきます。

しばらくすると、まつりのスタッフの方たちが、なにやら準備を始めました。

外に移動されたのは、紙で作られた船・橋建物です。

慈航普渡と書かれた船には、沢山の人形が乗っていました。

船の中にいらっしゃるのはお坊さんですね。

船の中まで細かく作られているのに驚きます。

船の横には、橋仙と書かれた橋が置かれました。

橋の両サイドには、それぞれ仙境・蓬莱と書かれてあります。

沐浴亭

建物には沐浴亭と書かれてあったので、お風呂たということか分かりました。

沐浴亭の前には、水とお清めのための榕樹(ガジュマル)と思われる植物の束が置かれました。

真ん中にあるサークル

真ん中には、サークル状のものが置かれていました。

九つの瓦が円状に並べられて、その上に紙が置かれていました。

中心には、油の入った入れ物や、卵と棒がささった瓶などが置かれていました。

「破地獄」が始まった

夜の20時頃に「破地獄」の儀式が始まりました。

破地獄は地獄からご先祖を救い出す儀式です。

まず紙製のご位牌を持った家族と僧侶が、一緒にお経を唱えながら円の周りをぐるぐるまわりました。

その時間なんと10分。

ご高齢の女性は、年齢的に亡くされたご主人を供養しているのでしょうか。

こんなにまわっていたら、目が回ってしまいそうです。

それが一段落すると、一旦家族からご位牌が僧侶に渡されました。

するとご位牌を持った僧侶が踊り出し、火の付いた瓦にその位牌を付けると、勢いよく燃え出しました。

お清めの後に「過橋」の儀式

その後ご位牌が僧侶から再び家族に戻されました。

次は「過橋」と呼ばれる橋を渡る儀式が行われました。

沐浴亭で榕樹によるお清めをしたあと、家族がご位牌を持って、横にある橋を渡らせるのです。

この過橋という儀式によって、再びご先祖があの世に戻るそうです。

2組目からは、僧侶と一緒にぐるぐる回る手順が省略されて、破地獄と過橋の儀式だけが繰り返されました。

動画でも紹介

破地獄と過橋の様子は動画にもあげてみました。

お炊きあげ

ご位牌は一旦元の場所に戻されました。

おそらくこの後にお炊きあげになったものと思われます。

それ以外のお供えなどは、公園の裏にある焼却炉でお炊きあげされていました。

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まるこ

2011年~2020年8月まで香港在住。 現在は千葉県在住。 好きなことは散歩とカフェ巡り、そして様々な勉強会に参加すること。 上級心理カウンセラー。

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