香港の公立病院の救急外来受診の流れをまとめてみた

香港の公立病院の救急外来受診の流れをまとめてみた

私立病院と公立病院

香港には私立病院と公立病院があります。


一般的に外国人は治療費の高い私立病院を使うことが多いですが、保険を使っての治療で無いと自分で払うにはちょっと値段が高すぎます。

私は状況に応じて私立病院と公立病院を使い分けています。

胃腸炎

先日尾てい骨のレントゲンを撮りに私立病院であるアドベンティスト病院を受診しました。

実は受診前から吐き気といった体調不良に襲われていました。どうも胃腸炎のようです。

当日は外科だけの受診だったので、同じ病院の内科を受診すれば良かったのですが、とにかく早く帰りたかったので外科のみの受診で帰宅。

帰宅後はすぐに寝たのですが、夜中から体調が急変したので、翌朝近くの公立病院を受診をすることにしました。

香港の公立病院の救急外来を受診する際の流れ

1.救急外来の受付の費用を払う

朝10時に公立病院のNorth Lantau Hospital(北大嶼山醫院)の救急外来を受診しました。

救急外来の受付で、救急外来費180ドル(約2500円)を支払いました(2019年5月現在)。

救急外来費は香港住民の場合は180ドルですが、旅行客などの場合は1,230ドル(約17,000円)と高額になります。

Hospital Authority : Fees and Charges

2.トリアージの仮診察

受付から約5分後にトリアージの仮診察を受けて、優先順位が決められました。

この治療の優先順位は5つのカテゴリーに分けられます。

  1. (カテゴリー1)critical 今すぐ治療をしないと命に関わる
  2. (カテゴリー2)emergency 15分以内に95%の患者が治療開始
  3. (カテゴリー3)urgent 30分以内に90%の患者が治療開始
  4. (カテゴリー4)semi-urgent
  5. (カテゴリー5)non-urgent

今回は一般的なカテゴリー4でした。

カテゴリー4〜5の実際の待ち時間は公立病院のサイトで公開しています。

Hospital Authority : AE waiting time information page

この待ち時間は1時間~5時間くらいと、病院によってかなりばらつきがあります。

3.医師の診察

今回は30分ほどの待ち時間で名前を呼ばれました。

香港IDに英語しか記載していない場合やパスポートで受付した場合は、英語で呼んでもらえるので問題ありません。

ただし香港住民で香港IDに漢字が印字されている場合は、名前を漢字の広東語読みで呼ばれることがあります。

私の場合は広東語と英語の両方で呼ばれました。

診察の言葉は英語でしてもらえました。

4.精密検査

医師の診察の結果、血液検査などの精密検査を受けることになりました。

通常は薬の処方だけで終わるのですが、今回は症状が重いと医師に判断されたようです。

看護師に訴えた結果点滴になった

看護師からはまず始めに尿検査をしてから精密検査をすると言われたのですが、残念なことに尿が出ませんでした。

看護師に「出さないと検査できない」と言われて、仕方なく売店で買ったポカリスエットを15分くらいかけて飲みきったけどそれでも無理。

しかも先日の尻もちのせいで、座っているのにも耐えられなくなりました。

そのため看護師に「座っているのもしんどいし、どっかに横になりたい!」とクレームをしたところ、看護師の方でベッドに寝かせてくれることになりました。

ベッドに寝ていられるので楽だった

検査着に着替えてから、ベッドに横になって連れて行かれたのが、経過観察室(Observaton Room)です。

ここで水分補給の点滴をうちながら、しばらく待機することになりました。

実はここはかなり快適でした。

部屋専属の看護師が1~2名と、患者は私以外に2人のみ。

普通の公立病院の救急外来にはこんな快適な空間なんてないんじゃないかと思う素晴らしさ。

テレビでは香港ドラマがずっと放映されていて、普段こういったものをほとんど観ないので意外と面白い。

ここで2~3時間ほど寝ながら休憩をとったおかげて、無事に精密検査を受けることができました。

5.検査後の医師の診察

この後レントゲンを無事に撮影してからまた経過観察室に戻って横になっていたら、医師が部屋まで回診に来てくれました。

大きな疾患は無かったものの、血液検査で気になる値があるということで、2週間後に再診になりました。

入院するか聞かれましたが、したくないと言うとこのまま帰って良いとのこと。

職場への病欠証明書の発行の依頼をしました。

6.薬の引き取り

最終的に受診を終えて、3階にある薬局で薬の引き取りをして受診が終了しました。

最後に~公立病院は自分で動かないといけないけど、慣れたら何とかなる

私立病院は患者の数も少なくて、医師とか看護師も手厚くサービスをしてくれるので、患者としては快適なんだろうな。

その一方で、公立病院は患者数も多いし医師や看護師も忙しいから、自分で動かないといけない。

今回は座っていられないとちゃんと訴えたので、ベッドに寝かせてもらえました。

また病欠証明もちゃんと欲しいといったので、すぐにもらえました(アドベンティスト病院は言わなくても医師から言ってくれます)。

この手間が慣れない外国人には面倒なんだろうけど、慣れたらこんなもんだと割り切れます。

なにより私立病院と公立病院の治療費の違いに驚きます。

先日のアドベンティスト病院はキャッシュレスしたから金額は分かりませんが、診察とレントゲンで多分2000ドル(34,000円)くらいです。

その一方で今回の公立病院の治療費は、香港住民なので診察・レントゲン・尿検査と血液検査で180ドル(約2,500円)。

香港の医療って何なんだろうかと思うのです。

【救急車で公立病院に運ばれた時の流れはこちら】

ぎっくり腰で救急車!?~香港の救急車で公立病院に運ばれた時の流れについてまとめてみた(前編) | まるこの香港生活

香港の公立病院の救急外来は、トリアージのカテゴリーによって待ち時間がだいぶ違います~救急車で公立病院に運ばれた時の流れについてまとめてみた(後編) | まるこの香港生活

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まるこ

2011年~2020年8月まで香港在住。 現在は千葉県在住。 好きなことは散歩とカフェ巡り、そして様々な勉強会に参加すること。 上級心理カウンセラー。

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