一歩進んだガイドブック「香港を知るための60章」から気になる事を書いてみた~(1)歴史に関して西洋諸国に対して毒を吐いてみた

一歩進んだガイドブック「香港を知るための60章」から気になる事を書いてみた~(1)歴史に関して西洋諸国に対して毒を吐いてみた

香港の中国への返還から20年

香港がイギリスから中国に返還されて20年になりました。

香港に住んで6年たちますが、普段香港人の社会にどっぷり浸かっていないので、香港に付いて分からないことが沢山あります。

そのな時に辞書代わりに読む本があります。それは「香港をしるための60章」という本です。

香港を知るための60章

香港を知るための60章というタイトル通り、この本は香港に関するあらゆることに付いて60の項目に分けて紹介しています。

60章の項目に付いてはそれぞれの見識者が解説しています。

この中で私が個人的に興味を持った所を数回に分けてご紹介したいと思っています。

歴史

なんと言っても一番はこの「歴史」です。

歴史は第1章から第5章に分けて紹介されています。

  • 第1章 歴史(初期の香港)-「香港」成立以前の歴史
  • 第2章 歴史(近代の香港)-自由貿易港の生成と発展
  • 第3章 歴史(日本占領期)-「ブラック・クリスマス」と「3年8ヶ月の苦難」
  • 第4章 歴史(戦後の香港)-アジアの昇り龍
  • 第5章 歴史(中国への返還)-「一国二制度」の実践へ

租借地は新界地区だけでその他は本来は返さなくて良かった

イギリスの香港領有の流れはこのようになっています。

  • 1841年 香港にイギリスが上陸して領有を宣言
  • 1842年 南京条約によって正式に香港島を植民地とする
  • 1860年 北京条約ににって九龍半島南部が植民地となく
  • 1898年 新界地区及び香港島周辺の島が租借地となる

ここで重要なのは、租借地であったのは新界地区のみであったことです。

しかし当時の中国の鄧小平国家主席がイギリスのサッチャー首相との会談により、イギリス側が最終的に香港の領有を断念しました。

その後の1984年の中英共同声明によって正式に香港全ての中国返還と、その後の「一国二制度」が決まったのです。

香港の日本占領期の記述は続けて聞くとしんどい

そして日本人として聞き続けるとしんどくなるのが日本占領期のこと。

表題の「ブラック・クリスマス」というのは日本軍が香港を領有したのが1941年12月25日だったからで、「3年8ヶ月の苦難」というのはその名の通り、日本がポツダム宣言を受諾するまでの期間です。

私達日本人からすると、その時期の日本の状況を理解しているので、やむを得なかったと思うのです。

しかし「イギリス領」に戻った香港の立場では「日本のやったことは全て悪かった」となっているのです。

ちょっと毒を吐いてみた

確かに西洋色を排除しようとした日本は西洋からすると「悪」になります。

でも日本人の立場から考えると、西洋諸国がかつて世界中に対して行ってきた「悪」をかき消すために日本を徹底的に悪くしているとしか思えないのです。

幸いな事に香港が中国大陸と違うのが、このことが「反日教育」に結びついていないことです。

歴史上のことはあくまでも歴史上と割り切って、日本大好きな香港人が多数なのが事実なのです。

香港を知るための60章 (エリア・スタディーズ142)
吉川 雅之 倉田 徹
明石書店 (2016-03-25)
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まるこ

2011年~2020年8月まで香港在住。 現在は千葉県在住。 好きなことは散歩とカフェ巡り、そして様々な勉強会に参加すること。 上級心理カウンセラー。

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