長期化するデモによる香港人のメンタルが心配
逃亡犯条例改正案の撤廃
2019年9月4日に、香港の行政長官であるキャリー・ラム氏が、逃亡犯条例改正案の撤廃を発表しました。
デモ活動に対して今まで譲歩を見せていなかった政府からのコメントに、世界中が注目しました。
ただ香港市民は、単純にこの発表を喜んでいないようです。
今後も改正案撤廃を含めた五大要求の全てが通るまで、デモ活動が続くと思われます。
デモの影響を受けていた
私は今回の発表を受けて、改めて気付いたことがあります。
それは、距離を起きつつもこの数ヶ月の間、私自身の心が無意識にデモの影響を受けていたということです。
今回の撤廃の発表を受けてほっとしたと同時に、今までとても緊張していたことに気付いたのです。
ネガティブな報道を見続けただけで、心に変調をきたすことがある
2011年に日本で東日本大震災が発生しました。
実際に被災した方は本当に大変な思いをされたと思いますが、特に被災をしていないのにも関わらず、震災関連の報道を見続けただけで、心のバランスを崩す人がいました。
今回の私はまさにこれと同じパターンでした。
私自身ははデモには参加していませんが、日々流れているデモのニュースや動画をずっと観ていました。
特に白シャツ軍団による襲撃、警察によるあらゆる場所での催涙弾の発射や地下鉄内での暴行の映像など、身近な場所でのセンセーショナルな映像に知らず知らずのうちに心が乱されていました。
特にSNSだと血が出たりといった刺激のある映像が加工せず流れるため、見続けるとかなりしんどくなります。
それに気づいてからSNSを見る頻度を減らすなどしたところ、随分気持ちが落ち着いてきました。
香港市民のメンタルが心配
全くデモに参加していない外国人の私でそうなので、ましてや実際にデモに参加している人のメンタルの問題がとても心配です。
デモに関連する自殺がついに8人になったそうです(9月6日時点)。
この8人というのはもちろん表に出た氷山の一角に過ぎなくて、その下には鬱病といった心の病気になった多くの人、そして病気までは至らなくても、極度の精神状態が続くことによる心身の疲れがたまった人が、かなりの数でいるはずです。
子どもへの影響も心配
それに合わせて子どもへの影響も心配です。
子ども自身は過激なデモには参加することはないものの、例えば家族が見ているデモ関連のニュースなどを一緒に見たり、親の話すネガティブな話を耳にすることで、感受性の強い子どもに影響が出る可能性は否定できません。
つらくなったら距離を置いてもいいと思う
ちょっと心の調子がおかしいなと思ったら、ためらわずにその状況から逃げて良いのです。
逃げるまでいかなくても、ちょっとの期間だけSNSから距離を置くだけでも随分気持ちが楽になります。
もちろんこのままではいけないと思いたい気持ちはあるけど、ちょっとくらい休んでもいいと思います。
まるこ
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