アドラー心理学の本をまとめ読み (4)正しい自立の為に必要なのは、他人を愛して共同体感覚を持ち、一人称を「わたしたち」にかえることです / 幸せになる勇気 / 岸見一郎 古賀史健著
引き続きアドラー心理学の本を読んでいます
今日は昨日の「嫌われる勇気」に引き続いてこちらの本です。
なんと香港では箱に入った「嫌われる勇気」とのセット版まで売られています。
香港版だと、「被討的勇氣二部曲完結編」になっています。このタイトルもなかなかいいですね。
この本では、他人に依存するのでは無く自立することの大切さについて書かれています。
自立とは、「わたしの価値を自らで決定すること」です。
でも、多くの人が「依存」の状態にあるのではないかと思います。
どうしたら、自立した考え方を持てるのでしょうか
依存とは、「わたし」の価値を他者に決めてもらうこと
依存というのは、「わたし」の価値を他者に決めてもらうことです。
ほめられることでしか幸せを実感できない人は、人生の最後の瞬間まで「もっとほめられること」を求めるそうです。
その人は『依存』の地位に置かれたまま、永遠に求め続ける生を、永遠に満たされることのない生を送ることになってしまいます。
私も他人に褒めてもらいたいと思っていないと言ったらウソになります。
こんなに頑張っているのにどうして周りの人は評価してくれないのだろうかと内心イライラしてしまうこともあります。
でもこれは「依存」の考え方なのです。自分の価値を他者に決めてもらっていることになるのです。
アドラー心理学には課題の分離という言葉がありますが、他人が私のことをどう評価するかどうかはあくまでも「他人の課題」なのです。
私には関係ないのです。
依存による 問題行動について
依存した状態になるとしばしば「問題行動」を起こします。他人に褒められることでしか自分の価値を見出せないからです。
問題行動は、以下の通り第1段階から第5段階まで続きます。
- 第1段階 賞賛の欲求・・・ほめてもらうことを求めること。
- 第2段階 注目喚起・・・ほめられなくてもいいから、とにかく目立ってやろうと考えること
- 第3段階 権力争い・・・反抗、癇癪、不従順の態度をとること。
- 第4段階 復讐・・・憎悪という感情によって注目されることを求めること。
- 第5段階 無能の証明・・・自分がいかに無能であるか、ありとあらゆる手段で証明しようとすること。
この5段階の表をみて、なぜ「第1段階が悪いんだ」という考えが誰でも思い浮かびますが、問題なのがほめてもらうことにより、共同体の中で特権的な地位を得ることです。
「ほめられること」を目的とする人が集まると、「他者はすべて敵なのだ」「人々はわたしを陥れようと機会を窺う油断ならない存在なのだ」というライフスタイルを身につけてしまいます。
大いに心当たりがあるのが、facebookやブログなどで「いいね!」や「アクセス」が無くてへこんでしまうこと。
たしかに「いいね!」が多い方が認められた気がします。
でもその反応はあくまでも他人の課題なので、それに振り回されていたら依存の心に蝕まれてしまいます。
そうなると、例えば周りの人が何かを成し遂げたりするのを知るや否や「これ見よがしに自慢して」とひねくれた考えになってしまうのです。
愛することによって共同体感覚を得ることができて、自立した考え方を持つことができます
「自己中心性」という言葉があります。
私の子供は、毎回週末のラグビーの練習の時に「足が痛い」「練習がわからない」など何かと弱音を吐いて練習をサボろうと必死ですが、これは子供が自分の弱さを武器にして大人を支配しようとする「自己中心性」からくるものです。
でも多くの大人たちもまた同じように「自分の弱さや不幸、傷、不遇な環境、そしてトラウマを武器として、他者をコントロールしようと目論む」のです。
そんな大人たちをアドラーは「甘やかされた子供」と呼んでいます。
それでは、私たちはどうやったら依存ではなくて自立した考え方を持つことが出来るのでしょうか。
そのキーワードは「共同体感覚」です。
共同体感覚というのは、私たちは皆共同体の一部であるという考え方です。
私たちは、他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されて、自立を成しえます。そして、他者を愛することによってのみ共同体感覚にたどりつくのです。
そのためにまず必要なのが、一人称を「わたし」から「わたしたち」にかえることです。
そして自分が共同体の一部であると思うことなのです。
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