インフルエンザで香港内の全ての幼稚園と小学校が休校になったことで、香港政府の感染拡大への危機意識の強さを感じた
香港の学校が休み
2018年の香港の旧正月の休みは2月16日(金)~2月19日(月)ですが、その一週間前の本日2月8日(木)から子供達の小学校が休みに入ってしまいました。
香港政府の教育局(Education Bureau)より、インフルエンザの蔓延を食い止めるために、旧正月前の期間に香港内の全ての幼稚園と小学校を休校にしてしまったのです。
もちろん日本人学校(小学校)も休校になっています。
このような措置は2009年に豚インフルエンザが流行したとき以来なので8年ぶりになります。
せっかくの機会なので、香港のインフルエンザについて調べてみました。
死亡者数は65歳以上が圧倒的に多い
衛生署(Department of Health)のサイトによると、今年流行しているのはインフルエンザB型です。
インフルエンザによる死亡者は2月7日現在で123人になるそうです。
年齢別にはこのようになっています。
- 0~5歳 2人
- 18~49歳 5人
- 50~64歳 14人
- 65歳以上 102人
圧倒的に65歳以上が多いのが分かります。
また65歳以上の中でも持病のある人の割合が圧倒的に多いそうです
幼稚園と小学校が圧倒的に発生数が多い
今回休校の対象になったのは、幼稚園と小学校のみです。
2018年2月7日付の衛生署のFLU EXPRESSと呼ばれるレポートによると、2018年の2週目から2月7日までの間にインフルエンザ様疾患(Influenza Like Illness)が発生している数をこのように報告しています。
- 保育園や幼稚園・・171(約41%)
- 小学校・・・・・・177(約42%)
- 中学校・・・・・・・30 (約7%)
- 老人ホーム・・・・・16 (約4%)
- 福祉施設・・・・・・・7 (約2%)
合計発生数 421(全ての感染者 2740人)
このように幼稚園と小学校での発生率が圧倒的に高いことが分かります。
この事より、この圧倒的に多いお年寄りの死亡率を下げるには、感染率の高い幼稚園と小学校の集団感染を防ぐ他ないことが分かります。
衛生署から調査の電話が来ることがある
このFLU EXPRESSは週に1回発行されています。こんなに細かいデータをどのように集めているのでしょうか?
調査のためには学校や医療施設の協力が不可欠ですが、必要に応じて衛生署から直接電話が来ることもあります。
先月の事ですが、娘が小学校に着いた時点で熱があったので午前中に早退しました。
するとその日の午後に衛生署から私の携帯電話に連絡が来たのです。
この時に聞かれたのはこのようなことです。
- 子供はどんな症状か
- いつからその症状があったか
- どこで病気をうつされたか
- 家族で同じような症状があったか
- 病院に行ったか
- 公立病院の場合・・AEで始まる受付番号
- 香港ID番号またはバスポート番号
衛生署と教育局より学校側に病気の子供の情報を提供するように指示があったようです。
このように香港政府では感染症の疑いがある場合、かなり細かく情報を取っていることが分かります。
香港は感染症には神経質
香港は狭い敷地に多くの人が密集して住んでいる場所です。
2003年のSARSの感染が有名ですが、一旦感染症が広がると香港中に広まる恐れがあります。
このような措置はインフルエンザだけで無く、他の感染症でも当てはまります。
衛生署から電話が来たのは今回か2回目で、前回は水疱瘡に感染した時でした。
インフルエンザのワクチンには補助金がつく
インフルエンザの予防方法としては予防接種が良いとされています。
香港では日本ほどインフルエンザの予防接種を受けない方が良いという意見は少ないのですが、お金もかかるので、受けていない人も多いです。
もちろん香港でもインフルエンザの予防接種を受けることが出来ます。該当な人は香港政府の補助を受けることが出来ます。
- 6歳~12歳までの児童
- 障害者の認定を受けている人
- 妊娠中の女性
- 65歳以上の高齢者
金額は190香港ドルです(2018年2月現在)
詳細は衛生署のサイトに書かれています。
まるこ
最新記事 by まるこ (全て見る)
- ポメラDM250を持ち歩くと何か書きたくなる - 2024年4月27日
- 香港からマカオまで、久しぶりに港珠澳大橋のバスを利用した - 2023年12月27日
- リトラル(Restaurante Litoral (Taipa) )/ちょっと中華な気がするのはメニューのせいだろうな - 2023年12月26日