海外の名門大学の授業を受けてみたい (12)倫理と行動を伴ったものが本当のやさしさです / 「やさしさ」という技術 / ステファン・アインホルン著
「やさしさ」という技術
こちらの本を読みました。
この本の著者はカロリンスカ医科大学のがんの専門医であるステファン・アインホルン教授です。
著者は現在は医師としての活動の他に、倫理に関する執筆活動や講演なども行なっています。
この本は人口900万人のスウェーデンでなんと30万部も売れたそうです。
やさしさは誰もがマスターできる「技術」です
この本の特色は、「やさしさ」を技術としたことです。
通常私たちが考える「やさしさ」はその人に生まれながらに備わったものです。
しかし著書によると、本人がそれ程やさしい気質で無くても、「やさしさ」を技術として習得できるというのです。
やさしさは倫理と行動を伴ったものである必要があります
それではどのようなことが「やさしさ」となるのでしょうか。
「やさしさ」の定義として倫理と行動がキーワードとなります。
1 倫理
「やさしさ」は他人の言いなりになることではありません。こういった「偽りのやさしさ」は私たちをむしろ「加害者」にするそうです。
例えば子育てにおいて子供に迎合することは、一見子供の意見を尊重しているやさしい行為に見えます。
でもこれは「偽りのやさしさ」なので、子どもの将来には良くないのです。
実際は子どもにとって一見良くないことであっても、倫理を伴った教育をすべきなのです。
倫理は、私たちが「偽りのやさしさ」を隠れ蓑にした「弱さや愚かさから来る行動」をとろうとするときに、私たちを正しい方向に導いてくれます。
「真のやさしさ」とは、正しさのために立ち上がる勇気を持つこと、そしてまちがった行いや悪に立ち向かう勇気なのです。
2 行動
「世界の美しい感情をすべて集めても、ただひとつのやさしい行為にはかなわない」という詩が紹介されています。
私たちは自分の心をコントロールすることが難しいです。でも自分の行動をコントロールすることはできます。
大切なのは気持ちではなく行動です。
もし行動がよいものであれば、動機は二の次です。
動機が利己的であっても構いません。重要なのはどう行動するかです。
やさしさは他人を受け入れるだけではありません
私は以前から「他人のありのままを受け入れる」ことが「やさしさ」なのでは無いかと思っていました。
もちろんそれも大事ですが、それだけではいけません。
倫理と行動を伴うことが本当の「やさしさ」なのです。
まるこ
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