佐敦九龍佐治五世紀念公園(King George V Memorial Park)の盂蘭勝會を見学
農暦の七月も終わり
香港のお盆(盂蘭盆)期間は農暦の七月一日から三十日までの一ヶ月間ありますが、その期間も終わりに近づいています。
2017年は9月19日が農暦の七月三十日です。
七月一日にあの世から一斉に出てきてこの世をさまよっていた霊(鬼)たちも、この日にあの世へと戻ると言われています。
佐敦九龍佐治五世紀念公園
今回は佐敦九龍佐治五世紀念公園の盂蘭勝會を見学しました。
実はここには10日ほど前の準備期間の時の明るい時間にもちょっと立ち寄っています。
夜の写真が思いの外上手に撮れなかったので、今回はこの下見の写真も併せてご紹介します。
偶然出会った講師に色々教えてもらった
今回の見学で一番の収穫は、香港和僑会のセミナーで香港の伝統行事について教えて下さった講師の方が偶然祭りを見に来ていたことです。
そのため、今まで分からなかったこの祭りのディープな部分を知ることが出来て、とても勉強になりました。
入り口
まず入り口と事務局です。明るい時はこんな感じでした。
夜だとだいぶ雰囲気が違いますね。
ここはお祭りの事務局(會客廳)です。当日にお供えなどを持ってくる方の対応などをしています。
神壇
神様へのお供え物がある神壇です。
神壇の手前にある傘をさしているものは大型の線香で、大香(龍香、神香)と呼ばれています。
會の開催期間中に線香が無くならない大きさにになっているそうです。
この神壇ですが、今までは外から覗いいただけでしたが、今回初めて奥まで入りました。
香炉が神様
今回初めて分かったのが、香炉が「神様」であるということです。
今回の神様である香炉は5つあって、それぞれ普段は別の場所でまつられているものが、盂蘭勝會のためにここに集まっています。
裏には神様の冠と履き物
神壇の奥に神様の冠と履き物があります。
動く人形
香炉の裏にあるこの装置は実は動きます。
この装置は潮州式で良く見られる特徴です。
重要な人形
この子供の形をした人形は意味のある重要な物なんだそうです。
この人形は神様にささげる神功戯の劇団所有のもので、會が開かれている間ここで預かっているので、触ってはいけません。
奥にはこの他にも気になるお供え物がいくつも並んでいました。
まだ神壇の左奥では地元の神様がまつられていました。
お祭りによってこの場所を使わせてもらっているという事で、ここに置かれているそうです。
小さな神壇
メインの神壇の左には別に小さな神壇もありました。
日本でいうと、トラック協会や商工会議所のような組織が独自に神様をまつっています。
ここには大量のお供え物が届くそうです。
戯棚
神壇の正面には神様に捧げる舞台である神功戯の舞台がありました。
客席の真ん中が通路のようにあいています。
この真ん中のところは神様のための場所なので、人間がここに立ってはいけないそうです。
(私は気づかずに普通に立ってしまっていました。)
神功戯は潮州語で行われているため、舞台の横に広東語の字幕が出ていました。講師の方はテレビの取材などて広東語の通訳をするくらいのレベルの方ですが、潮州語はさっぱり分からなかったそうです。
大士王と孤魂臺
大士様と附薦臺が並んでいます。
附薦臺は主に親族を供養するための場所ですが、ここは孤魂臺と兼ねています。
孤魂臺は例えば「交通事故で亡くなった方」といったような孤独な魂を供養するための場所です。
神馬臺
この紙で作られた馬は神馬と言って、あの世へメッセージを伝えるメッセンジャーの役目があります。
期間が終わったら燃やされます。
馬が食べるための草などが備えられています。
神様の服
神様の服もこの様にかけられています。
この神様は「香炉」で、その冠と履き物は神壇の裏に置かれていて、服はここにかけられているなんてとても不思議ですね。
衣装の装飾も近くで見ると面白いです。
この洋服ですが、神様だけで無くてそのお付きの人の服もかけられています。
経棚
そしてお経をあげるための場所である経棚。準備中の時はまだカバーがかかっていました。
今回はお経を外に向かってあげる場所に立ち会うことが出来ました。
潮州式以外も見たい
今回はスケジュール等の関係で潮州式の盂蘭盆会だけを見学しました。
次回は他の形式の祭りも見てみたいなぁと思っています。
まるこ
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