海外の名門大学の授業を受けてみたい (10)セロトニン運搬遺伝子の短い「悲観脳」の持ち主は、自分で意識して環境を変えれば「楽観脳」に負けないポジティブさを身に着けることができます / 脳科学は人格を変えられるか? エレーヌ・フォックス著
叱った時の反応が子供によって違います
私には子供が2人いますが、その子によって叱った後の反応が全く違います。
1人は、叱ったあとしばらくムッとするものの自分の行動が悪かったと理解をしている様子が見られます。
一方もう1人の方はきつく叱ると癇癪が始まってしまいます。
そして「ママは私のことがきらいなんだ」「自分はいない方がいいんだ」と極端な言動をすることもしばしばあります。
この反応の違いはどこから来るのでしょうか。
私は年齢による経験不足など様々な要因と合わせて、セロトニン運搬遺伝子が影響しているのではないかと推測しています。
脳科学は人格を変えられるか?
こちらの本を読みました。
著者はオックスフォード大学で教鞭をとっているエレーヌ・フォックス教授です。
この本はNHKの白熱教室でも放映された授業が書籍になったものです。
ちなみに日本語の本の邦訳である「脳科学で人格を変える」ってなんとなくおかしい気がします。
出版社側は本を手に取ってもらえるように、あえてこのような訳をつけたのでしょうね。
楽観脳か悲観脳かは「セロトニン運搬遺伝子の長さ」で決まります
原題は Rainy Brain, Sunny Brainと言います。
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日本語だと、楽観脳 / 悲観脳と訳されています。
楽観脳は物事のポジティブなことにフォーカスし、一方悲観脳はものごとのネガティブな面にフォーカスする言われています。
この楽観脳/悲観脳を決める要素としては、主にセロトニン運搬遺伝子という遺伝子が要因になっているそうです。
この遺伝子の長さが長いとセロトニンの運搬がスムーズに行くため、楽観脳になります。
一方この遺伝子の長さが短いとセロトニンの運搬が阻害されるため、悲観脳となります。
遺伝子は、両親からひとつずつ受け取ります。
セロトニン運搬遺伝子が2つとも長いと楽観脳になります。長いタイプと短いタイプがあると普通。両方とも短いタイプだと悲観脳です。
悲観脳では無くてむしろ「敏感脳」なのではないか
本によると調査を進めていくうちに、楽観脳と悲観脳の違いがポジティブかネガティブかに直接結びついているのではない事がわかってきたそうです。
悲観脳の持ち主は、確かに楽観脳の持ち主に比べてネガティブな情報を受け取りやすいです。
しかし、悲観脳の持ち主はポジティブな情報も同じように受け取っていたことが分かったのです。
これが意味するのは、悲観脳の持ち主は環境などの様々な影響をより受けやすいという事実です。
悲観脳の持ち主は周りの影響を受けやすいため、ネガティブな影響をより受けてしまい、ネガティブなマインドセットを持ってしまうことがしばしばあります。
しかし、仮にその環境がポジティブなものであったら、その影響も人より多く受けるために、むしろ楽観脳よりもポジティブな性格となる可能性も秘めているのです。
私はこの分を読んでこの脳のことを、「敏感脳」と呼んだ方が良いのかもしれないと感じました。
悲観脳を持っている場合はそれを自覚して、ポジティブになれる環境を自ら選ぶ
もし自分が周りの影響を受けやすくてさらにネガティブな面があると感じたら、その人はセロトニン運搬遺伝子が短いタイプかもしれません。
その場合は、とにかく自分の周りの環境をポジティブにすることが大切です。
もしそのような環境を作る事ができれば、ポジティブな考え方を自然に身につける事が出来るのです。
まるこ
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