香港人の「正真正銘の教育ママ」にはかなわない ~ スタンフォード大学に三人の息子を合格させた50の教育法 アグネス・チャン著
アグネス・チャンの教育本が香港でベストセラーになっています
定期的に香港の書店に行っていますが、そこで良く目にするのがこちらの本です。
スタンフォードを漢字で「史丹福」と書くことを初めて知りました。
香港の出版社が発行していますが、広東語では無く中国語訳になっています。
せっかくの機会なので日本語の本をKindleで読みました。
この本を読んで感じたのが、著者が「正真正銘の教育ママ」であるという事、そして一方「香港人は多かれ少なかれこのような考え方をもっている」ということです。
アグネスは本人も子供もすごい
著者であるアグネス・チャンは言わずと知れた香港人の元アイドルです。
香港で生まれて日本でアイドルとしてデビュー。上智大学とトロント大学を卒業して、スタンフォード大学の博士課程で教育学博士号を取得しています。
子供は男の子が3人で、小中学校は日本のインターナショナルスクール、高校はアメリカの全寮制の学校に通い、大学は同じアメリカのスタンフォード大学に通っています。
「小中インターナショナルスクールで高校からアメリカなんて、さすが芸能人は金持ち」
と素人は早合点しますが、すごいのはそこだけでは無いのです。
自らの教育学の知識を総動員して子供の教育を行なっていることがものすごいのです。
まさに誰にも真似できない「プロ級の教育ママ」なのです。
子連れで仕事場にいたのはなるべく自分で子育てしたかったからです
本でも取り上げていましたが、以前アグネス論争というものがありました。
これは、アグネスが乳児を連れてテレビの収録に出たことで論争になったという一連の話です。
実は20年以上昔の事になりますが、人づてに聞いたある話があります。
それはある女性タレントが講演の仕事が欲しいため、「アグネス・チャンは講演料にベビー・シッター代を上乗せしてくるけど私はしません。」といって売り込みをしたというものです。
実際にベビーシッター代を上乗せしていたかは定かではありませんが、彼女が様々な場所に子供を連れてきていて、それが当時話題になっていたことは事実です。
でも子育てを体験したから分かるのですが、職場に子供を連れて行くことってものすごく大変なことです。
自分の自由な時間が全く無くなるからです。
私だったら出来るだけ家にいる誰かに預けて1人で出歩きたいです(笑)
では何故彼女は職場に子供を連れてきてきたのでしょうか。
それは、子育てに対して誰よりも責任を持っているから、仕事をしている時でも極力一緒にいようと決めたからなのでは無いでしょうか。
本の中でも子育ての時はプライベートな時間はほとんど無かったと書いてあります。
自分の知識と時間を全て子育てと教育に捧げてきたのです。
子供が全員スタンフォード大学に入るのも、ある意味当然なのです。
香港人は多かれ少なかれこのような考え方をもっています
日本人からしたら何故子供のためにここまでするんだろうと思います。
でも香港人にとってはこういった考え方はよくあることなのです。
1997年にイギリス統治から独立して一国二制度となりました。しかしその期間も50年となっているため2046年以降はどうなっているのか分かりません。
香港にいられなくなるかもしれません。
だから自分が生きていくには、誰よりも勉強をして自分がどこにいても活躍できるようになるしかないのです。
迷ったときには厳しい道を選びなさい
アグネス本人がお父さんから言われていた言葉がその厳しさを物語ります。
「お金や名声は流れもの。何かあったらすぐに奪われる。でも一度頭の中に入った知識は、人は奪うことができない。一生の宝になる。だから勉強できるときは、ありがたく勉強しなさい。」
「迷ったときには、一番難しい道を選びなさい」
香港人は大変だと思います。
でもだからこそたくましいのです。
朝日新聞出版
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まるこ
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