香港で一番歴史のある会場で、僧侶が舞台を走り回る「送佛」を見た〜香港のお盆祭り「ハングリー・ゴースト・フェスティバル(盂蘭勝會)」を見学(6)〜潮州公和堂盂蘭勝會@摩頓台球場
香港のお盆祭りの「盂蘭勝會」
香港では農暦の七月一日~三十日の間に様々な場所でお盆のお祭りが行われています。
期間は場所によって違いますが、大体3日間であることが多いです。
香港のお盆祭りは中国語だと盂蘭勝會、英語だとYu Lan Festival とそのまま読む場合もありますが、Hungry Ghost Festivalと呼ぶのが一般的です。
香港のお盆祭りは施餓鬼供養(飢えに苦しんでいる無縁仏の供養)の意味合いがとても強いので、このハングリーゴーストという名前にも納得できます。
今回はお祭りの先生であるYさんからのレクチャーを受けながらかなりディープなお祭り見学をしてきました。
香港で一番歴史が長い会場
今回行った潮州公和堂盂蘭勝會は、今回が121回目と書かれてありました。
この場所のお盆祭りが香港で一番歴史があるそうです。
確かに今年見学した他の場所のお祭りは大体第50回から第55回くらいだったので、この場所のお祭りの歴史の長さを感じます。
また最近は簡素化のために施設の骨組みが鉄になっている場所が増えましたが、こちらの会場は昔ながらの竹で骨組みが建てられているのも情緒があります。
神棚
神馬
まずは神様のいらっしゃる神棚(天地父母棚)です。
メッセンジャーとして働いている神馬がすぐ手前にいます。
今回はお供えに出前一丁があったのが気になりました。
香炉
そして奥には5つの香炉が置かれていました。
この爐が神様としての役割を持っています。
それぞれの爐には、諸位福神・観音娘娘・跑馬地伯公・天后埾母・大坑伯公と名前が書かれています。
更に奥にはお供えがあって、神様の帽子と靴が置かれています。
大士台
大士は潮州式で一般的な青鬼の形相をしています。
おでこのところに観音菩薩の像が載せられています。
大士王は祭りの期間の秩序を守る大事な役割があります。
附薦台・孤魂台
死者を弔うための附薦台・孤魂台です。
真ん中の3つは代表的なもので、その周りにはご先祖を弔うために個人からリクエストを受けたものです。
神袍棚
神袍棚には、先ほど帽子と靴だけあった神様の洋服が掛けられています。
この洋服はとても綺麗な飾りが付けられています。
一緒に置かれているのは、紙衣・紙銭などです。
故人があの世で困らないようにとのことで、最後にはお炊きあげされます。
昔は麻雀卓が人気だったそうですが、最近はなんと紙でできたスマートフォンもあるそうです(笑)
神功戲棚
神様に捧げるための劇が上映される神功戲棚です。
この劇は夜だと大体19時以降でないと見られないためなかなかじっくり見るチャンスが無かったのですが、今回は見ることができました。
潮州式のお祭りの場合は潮州語です。
私は中国語も広東語もあまり分からないので、潮州語といってもピンと来ないのですが、雰囲気だけ楽しむことにしました。
送佛
今回一番印象に残ったのが送佛と呼ばれる独特なお経です。
このお経は初日の夜に行われて、来て頂いていた仏様をあの世にお送りすることが目的です。
迫力のある生演奏をバックにして、僧侶達が舞台を八の字にぐるぐると走り続けます。
走りまわる理由は、仏様の歩調に合わせるとこうなるそうです。
仏様ってなんて足が速いのでしょう。
お祭りの奥深さを知った
今回は一箇所でじっくりとお祭りを見学できたのがとても良かったです。
なじみの無いこの祭りですが、知れば知るほどその奥深さを実感するのです。
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まるこ
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